エディ中野

風の電話のエディ中野のレビュー・感想・評価

風の電話(2020年製作の映画)
4.8
とんでもない傑作をみた。

モトーラ世理奈ってこんな演技できたんだ。
凄いです。
賞レース席巻するんじゃないでしょうか。
渡辺真起子と山本未来はいつも通り素晴らしいです。
三浦友和も最高でした。
西田敏行には長生きしてもらいたいです。

生きる=食べる
食べる場面がとても多く、生きることを勧める、肯定していく演出が素晴らしいです。
写し方、見せ方がドキュメンタリーっぽく見えます。
ラストの長回しは感動的。号泣必至です。

本作で初めて風の電話という電話ボックスを知ったのですが、葬儀って必要だなぁとおもいました。
どこにも繋がっていない電話でいない人に語りかけることは、自分で区切りをつけること、もう会えないことを認めること。
それは葬儀に等しい。
残された人が生きていくには、もう会えないこと、亡くなってしまったことを認識するための儀式、又はそれに準ずる何かが必要なのでしょう。
なんの縁もないようなお寺であっても、全く聴き取れない意味のわからないお経であっても、それらが非日常な儀式を行うことで人は別れを体感することによって区切りを認識し、また生きていくことができるのではないか、と思いました。