てっぺい

るろうに剣心 最終章 The Finalのてっぺいのレビュー・感想・評価

3.5
【斬らない殺陣映画】
シリーズ通してのスピード感溢れる殺陣の迫力。最終章ならではのアベンジャーズなワクワク感。“不殺”を貫く、本シリーズならではの一本気。魅力がたくさん詰まった映画。
◆概要
和月伸宏の人気コミックを実写映画化したシリーズの完結編2部作の第1弾。原作では最後のエピソードとなる「人誅編」がベース。
監督・脚本:大友啓史
出演:佐藤健、武井咲、青木崇高、蒼井優、江口洋介、新田真剣佑、有村架純
◆ストーリー
何者かが東京中心部を相次いで攻撃した。剣心は、ある理由から剣心に強烈な恨みを持つ上海の武器商人・縁との戦いに身を投じていく。
◆トリビア
○ 『The Final』と『The Beginning』の2作品で総製作費50億円、撮影期間7か月、エキストラ延べ6,000人、キャスト&スタッフ約2,200人と類まれなる規模で制作された。(https://www.cinemacafe.net/article/2021/04/24/72500.html)
○『The Beginning』で巴(有村架純)が着ている着物の白色に合わせて、縁(新田真剣佑)のラストの殺陣の衣装を白にしようと新田が監督に相談し、それが決まった。(https://www.cinemacafe.net/article/2021/04/24/72500.html)
○ 剣心役に佐藤健を推したのは原作者の和月伸宏だった(https://kai-you.net/article/80090)
○ 実写映画があったから原作の続編が生まれた(https://kai-you.net/article/80090)

◆以下ネタバレレビュー

◆殺陣
何よりもこれに尽きる。早回しなのではないかと思うほどの殺陣のスピードが本シリーズの特徴であり、この最終章ではそれが特に目際立つ。剣心が敵陣で1人幾百を相手に次々と斬り込むのは圧巻だったし、宗次郎と共戦した館では天井や斜めの色んな角度から剣と銃弾が飛び交うアクションが楽しめた。物が次々と破壊されていく縁との対決も当然のスピード感。毎度思う事だけど、相手との息が合わなければ大怪我をする訳で、ことこの映画のようにスピードのある殺陣の連続はその緊張感と常に隣り合わせ。出演陣はセリフを覚える何倍も苦労をしてるのではと勘繰る。個人的には、操(土屋太鳳)のやたらとキレのあるアクションには思わず見入った笑
◆アベンジャーズ
こう形容していいものか笑。四乃森が自然に共闘していたり、宗次郎が寝返ったり、過去の好敵手が次々と共闘を始め、総力戦となっていくワクワク感はアベンジャーズさながら。その意味で、最終章だからこそできる事を本作はきちんと詰め込んでいたと思う。
◆不殺
人を殺めない剣心の徹底ぶり。一作目の鵜堂(吉川晃司)も前作の志々雄(藤原竜也)も最期は自殺であったように、徹底的に剣心が不殺を貫く、“人が斬られない殺陣映画”なのが本シリーズの特徴。縁とのバトルをどう決着させるのか甚だ疑問だったけど、なるほどその手があったかと感心した笑。その分自由に斬れる斎藤一の殺陣が快感に思えたり、不殺に至るまでを描く次回作への期待が高まる伏線にもなっていた気がする。原作者は前作の剣心が海から打ち上げられた砂浜で、その不作を破ることに繋がる脚本を事前に修正させたと語っていたけど、なるほど本作でも絶対に刃を向けない剣心が徹底されていて、その一本気が映画全体の見やすさに繋がっていたと思う。
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