囁きのwhisper

るろうに剣心 最終章 The Finalの囁きのwhisperのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「伝説の最期編」のあまりに空虚な敬礼をもって、剣心と日本の物語は終わりを告げた。となれば、自然な流れとして「最終章」は剣心個人の物語の終わりを描くこととなる。

冒頭、江口洋介vs真剣佑戦で一気に引き込まれる。電車内という狭い空間を縦横無尽に飛び回るアクションと、子供が遊んでいたけん玉を殺しの武器に使うという悪趣味さが楽しい。

だが、以降の展開はかなり鈍重。剣心の過去回想が中心で、アクションもあるものの敵キャラの魅力が皆無で全く印象に残らない。
過去回想は、白い雪に舞う鮮血がこのシリーズには新鮮で、良いアクセントにはなっている。だが、ここまで映像で見せてしまって「The Beginning」は大丈夫なのかと不安になってしまう。

神木隆之介まさかのサプライズ登場から、ようやく面白くなってくる。佐藤健&神木隆之介の共闘は発狂モノですわ…

そしてクライマックス、BGMのない静寂の中、金属の重なる音だけが響き渡る剣戟を突き詰めたクライマックスが圧倒的。
死闘を重ね、血に染まっていく真剣佑の銀髪が、雪の中に舞う鮮血という彼の呪いを体現しているようだった。

全体的には退屈なシーンや不満点も多い作品だったが、IMAXレーザーでクライマックスの戦闘を体感できたということでこの点数。
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