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るろうに剣心 最終章 The Finalのyumeayuのレビュー・感想・評価

4.0
"人誅"

漫画原作の実写化作品は数あれど、ほとんどが残念なものが多い中、数少ない成功例がこの「るろうに剣心」シリーズ。

やはり他の実写化作品と比較して、ひしひしと感じるのは出演者とスタッフの原作への愛情とリスペクト。
原作が少年漫画ということで、意識しすぎると陳腐になるし、意識しなさすぎると原作とかけ離れてしまうし…きっと実写化にあたり色々な葛藤があったと思いますが、このシリーズは本当にリアリティとフィクションのバランス感が見事だと思いました。
今作が初登場となる雪代縁にしても、原作ですら異色のキャラクターだったので、どのように描かれるか心配なところもありましたが、いざ蓋を開けてみるとそんな不安も吹き飛びました。演じた新田真剣佑の演技も素晴らしかった!

また、シリーズを通して最大の魅力といえるのが、やはりアクション・シーンでしょう。これについては海外の作品と比較しても遜色ないと思いました。
よくある時代劇の殺陣のように一瞬の隙を伺うようなジリジリとしたものではなく、ワイヤーを駆使した立体的でスピーディーなアクションがとてもかっこよく、邦画アクションのひとつの到達点といっても過言ではないでしょう。

一方でストーリーはというと、原作がそうだから仕方ないとはいえ、キャラクターの内面にスポットを当てている展開のせいもあって全体的に重苦しい雰囲気となっていました。
派手さに関しては「伝説の最期編」「京都大火編」と比べると若干物足りなさは感じました。
ただ、今作だけでは剣心の過去について全容が明らかになっていない部分もあるため、次回作を見て総合的に判断したいなと思いました。

「最終章 The Beginning」はおそらくシリーズ随一にドラマチックで悲しい物語になりそうな予感ですが、最後まで見届けたいと思います。
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