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るろうに剣心 最終章 The Finalのodamakinyanのレビュー・感想・評価

4.2
前3作よりもさらにグレードアップしたと思います。背景セットの作りこみ、時代設定の反映、撮影方法のテクニックなど、さらに進化を遂げていました。しかしながら原作漫画のほぼ再現のシナリオで、原作漫画を読んで映画を見に来た層を裏切らない出来だったと思います。アクションが特にすごくて、漫画よりもすごいと思いました。操演も多かったと思いますが、それを感じさせないスピード感と自然なアクションだったと思います。縁役の方が特に好演していたと思います。原作漫画ではそれほどのキャラクターではなかった縁が、この方が演じることで一個の輪郭を持った人物に描かれていたと思います。

ただ惜しむらくは、すべての登場人物に見せ場がなかったことで、斎藤、蒼紫などはあまり活躍場面がなかったのが残念でした。それもシナリオが過密状態なので仕方がなかったかと思います。ただ前半の神谷邸の場面をもっと詰めていれば、入れられたかもしれないと思いました。もともとのコミックではあまり人気のなかった人誅編を、ここまでの作品に仕上げたスタッフの方たちには、本当に頭が下がる思いです。

なお前3作のるろ剣実写についての感想は、ヤフー映画の方に投稿しています。五年以上前なので仕方がないです。

補足しますと、原作漫画では縁はカタカナ混じりのセリフになっていますが、この実写版ではすべて中国語混じりのものに直されています。出てくる中国人たちも縁もちゃんとした中国語の発音だったので、この映画にかけるスタッフたちの熱意が伝わってきました。こんなところもリアルな作りこみで、単なるジャンプコミックの実写化の枠を超えていると思います。いわゆる邦画界では当たり前の事かもしれませんが、私などは見ていて嬉しかったところです。
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