るるびっち

るろうに剣心 最終章 The Finalのるるびっちのレビュー・感想・評価

3.3
アクションに徹した映画。脳みそは1ミリも働かさなくて良い。
ただ復讐というだけで、作戦も展開も無い。
アクション×アクション×アクション!! 
体力100%脳みそ0%映画。
いや面白いアクション造形にも頭脳は使うだろう。つまりアクションにのみ頭脳を使い、脚本やドラマには頭脳を使わなかったのだ。
台本の無かった時代の香港映画でも、もう少し話はあった。
アクション100%脚本0%映画。

しかし『ザ・ファブル2』が車のアクション、団地のアクションで工夫しているのに比べると、新味の面白さには欠ける。
今まで通り激しい殺陣と集団戦があるだけで、目を瞠るものはない。
列車での立ち回りも、停まった列車内なのが残念。
危険度0%(言い過ぎ? 0%に合わせたいだけ)。
そこが邦画の限界かもしれない。

ドラマは全くない。というより、アクションで情感×ドラマ×ストーリー×思想を体現しようとしたのかも知れない。
監督も「モーション×エモーション」と発言しているので、アクションに表現全てのっけ盛りのようだ。

時代が変わった時、取り残された人たちの怨嗟。
前の時代で、散々人斬りをしていながら平和に生きる主人公。
逆刃刀なんて持つくらいなら、刀を捨てれば良い。そこが取り残された者には偽善に見える。剣心の真の思いを表現しなければならない。
それを台詞や芝居ではなく、殺陣の中に表現しようという狙いなのか。
挑戦とも思えるし、手抜き脚本とも思える。
邦画特有の臭みから脱して、アクションのオーケストラともいうべき雄大さを感じる。
ただ・・・アクションに対しての見識がないのと、ストーリー重視派なので、面白くはないです。

実は、昔に囚われているのは剣心自身もだ。
今回、本当に過去を断ち切り、未来に一歩踏み出す勝負をしたのは薫である。この勝負、勝者は薫ただ一人だ。
というわけで、アクションを楽しみたい人には満足する一本かな?
特に健走り好きな人には。
アクション100%健走り80%ストーリー0%(いや、ストーリーはアクションの中に吸収されているのだろう…チョウチンアンコウのオスみたいなもんだ)
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