このレビューはネタバレを含みます
気合が入っていて、スタッフ・キャストが大真面目に全力で作っている作品。なのであしざまにけなすような真似はしたくないのだが、なんだか乗り切れない映画だった。
そもそも原作の中で「京都大火編」の後のピークを過ぎたエピソードなので、シリーズ最高傑作にはなる可能性は低い中で始まったものなので、これくらいなのかもしれないと思うが、それにしても2部作に分けたにもかかわらず、前編に雪代縁との戦いを全部詰め込んでしまったせいでいろんな重要要素、エピソードを切ってしまったせいで話がだいぶ駆け足になっているし、原作の要点だけ記号的になぞっている作品になってしまっているのが本当に残念。
真剣佑は頑張っているが、描きこみが少なすぎて彼の恨みや闇も原作の半分も表わせていないし、弥彦や左之助はただそばにいるだけのキャラになってしまっている。
肝心のアクションも確かに演者の動きはすごいのだが、事務的に段取りをこなしているような感じで、カメラワークも役者頼みでそんなに工夫されていないのが残念だった。
なんにせよ普通に過去編を先にやって縁との決着をクライマックスに持ってきたほうがオーソドックスに盛り上がる話になったと思うのだが