よくぞここまで盛り返した、と賛美したくなる作品。
でも、だからと言って面白いと言うわけではないので勘違いしないように。
1作目の夢の共演から観るに耐えない2作目に墜落。
その2作目クランクアップから数ヵ月後、1/5以下の予算で撮られた今作。普通ならアサイラム作品ぐらいイッちゃっても不思議は無いのだが、よく持ちこたえた。
低予算を誤魔化そうと終始暗い画面で、ロケも「ショーシャンクの空に」でも使われたマンスフィールド教護院の持っている雰囲気を最大限活かし、デイヴ・バウティスタのバトル相手には、彼とセットで付いてくるスタントダブルのロブ・デ・グルートを使い節約。
B級魂のある作品で、監督が低予算と冴えない脚本に四苦八苦しながら、苦戦している姿を想像しながら観ると楽しめる作品となっている。
さて、一番の問題はスタローン。
前作に続きオーラがまったく感じられない。ではセガールやヴァンダムのように胸を張ってB級世界を闊歩しているかと言うと、それも無い。
思うにスタローンは執着心が異様に強いのではないだろうか。
彼のシリーズ物でヒットした作品は、たいがい続編を作りすぎて初期の名作に泥を塗る形で急降下しているものが多い。
「ロッキー」然り「ランボー」然り、今作も然り・・・・・・
で、その「一発当たった物にしがみつく姿勢」がオーラを消しているのではないだろうか。「骨の髄までしゃぶって金儲け」って感じも伺えるのがマイナス。
「ロッキー」「ランボー」などの輝きをまた見たいものだ。