TaKeiteaZy

新感染半島 ファイナル・ステージのTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

4.8
韓国ゾンビパンデミック映画「新感染 ファイナルエクスプレス」の続編。ゾンビウィルスが蔓延しきった朝鮮半島、そこから逃げたけど戻る理由のある人間、そこで生きた人間、そこから逃げたい人間、地獄と化した韓国でそれぞれの思惑とドラマ!な話!

いやあ、前作の「新感染」(口に出すたびスベらされるので、嫌な邦題)は超名作だったので、今回はその上がりきったハードルどうなる?となりましたが、いやいや、無事立派に飛び切りましたね。良かった良かった。プライドを持って予算を掛けにいくスタイル、韓国恐るべし。

ゾンビアポカリプス後期の世界だと、もうゾンビはダメージ床くらいの存在にしかならなくなるのは、もうしょうがない。今回は前回のような日常がどんどん削ぎ落とされていく描写はなく、希望0の状態からスタート。前作とは全く毛色の違う作品ですね。

こういうゾンアポ後期前提の作品で大事なのは、死が溢れかえる世界で、いかに生が輝くか、ということ。お隣韓国の文化性はわからないが、それでも今回メインキャストを張った役者さんは全員100点の演技でしたね。ゾンビが背景になっちゃってるんだから、もう生きてる人間が魅せるしかないんだよね。

あまりにアクションに全振りし過ぎちゃって、途中からちょっと「マッド・マックス」かよ!となるくらい凄すぎるカーアクションが、逆にもう少し味付け薄くても良かったかも...というのと、前作からはゾンビしか貰ってきてないので、深く関わらなくとも前作のオマージュがもう少しあれば、と思いました。あったのかもしれないけど。

ウォーキング・デッドとかバイオハザードに慣れてしまった現代人には、新鮮じゃない世界観になってしまってはいるけど、個人的にはロメロ映画の意志も少し感じた。その意志に、おじさんは最後落涙してしまったね。絶望的な映画に、絶望だけを求めてはいけない。
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