虎舞羅ーコブラー

新感染半島 ファイナル・ステージの虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

3.7
『新感染 ファイナル・エクスプレス』から4年後の世界を描く、パニックホラー作品。

前作ではゾンビパニックホラーとしての側面が強かったものの、今作では軍人が主人公という事もありアクション要素が強めでした。
そのため、前作の印象的なドラマ要素などが薄く感じてしまうかもしれません。そこで賛否が分かれる作品だと私は思いましたね。

ゾンビの恐怖よりも、極限状況下に置かれた人間の狂気がメインになっています。“人を救う為に戦う”はずの軍隊が、いつしか“自らの欲望の為に戦う”独裁者的存在になっているなど、人間の狂気的部分がストレートに描かれます。
やはり前作よりも劣る部分はありますが、今回は“カーチェイス”や“ガンアクション”など、エンタメ的アクション要素は見応えあり。
主人公を演じるカン・ドンウォンの滑らかな銃さばきと格闘シーンは必見。ルックスだけでなく様になるアクションシーンを演じられる…、憧れます…!!
そしてCGやVFXを巧みに利用した終盤のカーチェイスシーンも面白い。ただ追撃するだけではなく、ちゃんと頭脳戦も組み込まれている点は脱帽です。ヨン・サンホ監督が描きたかったエンタメ要素を詰め込んだ、アトラクションムービーとしても良い出来に仕上がっていると思います。

アクションだけではなく、主人公の"大切な人を救えなかった事への贖罪"と"トラウマに対する最後の決断"など、ドラマ面でも私は満足出来ましたね。あのラストの決断は鳥肌モノです…!
まだ観れていない方は是非!