韓国を代表するカメレオン俳優の１人
キム・ユンソクの初監督作品。
なんて多才な人なんでしょうか。
期待していた以上の仕上がり！
とても面白かった。
同じ高校に通う１７歳のジュリとユナ。
互いの父親と母親が不倫。
そして妊娠、出産…。
・信じていた父親に裏切られた娘・ジュリ。
・不倫がバレ自分の保身に必死なだけの夫。
・そんな夫を軽蔑できても経済的には自立で
きない妻。
・母親をどうしても好きになれない娘・ユナ
・自分の中の女が優先して母になれない母親
ストーリーの中心は親同士の不倫。
振り回される家族。とんでもない話だし全然笑えないはずなんだけど、リアルな発言や行動がなんか滑稽に思えるところが多々あったりして。
全くアゴのラインがなくなった横顔。淀んだ目…。ルックスも去ることながらペラペラで情けない発言と行動…。。
監督兼演者でもあるキム・ユンソクが、
オッサン・IN・THEオッサンを完璧に演じてます！
あの「ファイ」では恐ろしい狂気炸裂の父親役を演じてた同一人物とは思えない…。
いやいやもうあれは別人！(笑)
妻に不倫がバレて「それは性欲なの？愛なの？」て詰め寄られるも、何も返答出来ずただ焦って謝り倒す夫…。
↑↑↑
誰であろうと、世界中の女性を敵にまわす…呆れるしかないシーン(笑)
女性たち(女優)も良かった。
・ジュリとユナ
・妻と不倫相手
それぞれ傷つき、傷つけ合いつつもお互いの距離を縮めていく…あの嘘っぽくない感じが好きだった。
取り繕うことを知ってしまっているがゆえの大人の不器用さとか、何も取り繕えない子供の不器用さとか。。それがお互い噛み合わない感じとか…。
登場人物みんな自分の愛情の拠り所を失ってて、家族であってもいつの間にかその愛情が変形して噛み合わなくなってしまってる感じとか。
でもこんな重いテーマなのにも関わらず、
観ていて退屈な時が一瞬たりともなかった。
96分と短い尺なのに、細やかに描かれた登場人物たちの心情や小難しくない明確なエピーソードで構成されたストーリーが秀逸でした。
しかもこの脚本(共同)もキム・ユンソクが手掛けてる。素晴らしい。
韓国のクリント・イーストウッドを目指すつもりかな？(笑)
確かに次もあるなら期待してしまうけど、やっぱり演じてるキム・ユンソクをまだまだたくさん観たい★
