えりみ

カスリコのえりみのレビュー・感想・評価

カスリコ(2018年製作の映画)
4.0
小学生以下の子供は保護者の助言・指導が必要ながら、ヤクザ映画ではなくエロもグロも抗争も何も無い地味な白黒映画。
賭博行為がレイティングに影響しているのか❓地回りは2人出てくるけど。
昭和40年代前半の土佐(高知というより土佐って感じ)が舞台。
当時を知る地元高知の実業家が脚本にチャレンジしたら賞を獲り😲、偶然高校の後輩が映画人で受賞式でばったり再会、映画化が実現😲😲
メインこそ違うがキャストに高知出身の役者を配してロケも当然高知という郷土愛が強い県民性を感じる作品😌
衣装や小道具、劇伴にも手抜きがなく丁寧な作りでスクリーンで観て満足♨
TOHOシネマズと違って千百円で鑑賞出来たし🎦😁
任侠映画の博打シーンでチラッと目にした事はあるけれど、日本における究極のギャンブルと謂われる「手本引き」をここまでじっくり何度も見せる映画は初めて観た😮
ハウツーモノでもないし、カイジwみたいにいちいちルール説明は無いものの、「手本引き」とは親が選ぶ1〜6の数字を子が当てるだけ!という至ってシンプルなギャンブル。
しかしそこには親が出す札を読み札を繰る癖を見抜く心理戦や観察眼、張り子の1〜4点賭けの妙味など奥の深さと絵になる作法(緋牡丹博徒!)、短い時間で高レートで金が動きヒリつくような緊張感が堪らん😆
後でちょっと調べてみたら張子の札の位置やズクの置き場所によって配当率が変わるらしく、胴師の両サイドに控えてただ睨みを効かせてるだけの仁王様みたいな存在やと思っていた合力が、複雑な配当金を瞬時に弾き出すキャッシャーの役割も担っていたと知り驚愕😨💸💵
あまりに複雑で後継者が育たず💧お上の締め付けも厳しい為衰退してしまったらしいが、日本にカジノが出来たら復活せえへんかなぁ。。。

色々書いたが肝心の主役は、合力どころか客の小間使いをしてチップを貰う「盆の乞食」と揶揄されるカスリ子として働く博奕で店を潰した元板前🔪
大事にしていた包丁が万能包丁やなく柳刃包丁なら完璧やったのに。
この役を石橋保が演じる。
かつて少年チャンピオンで人気を博した極道漫画「本気!」実写化OV以来の主役じゃなかろうか🚬
数少ない単行本全巻揃えた愛すべき漫画やったのでビデオも何本か見た記憶📼。
パンチパーマにするでもなく顔立ちが似てるわけでもなかったが、それ以来ずっと気になっている役者さん。
本作のインタビューで「自分のこれまでの人生と重なる部分があり印象的だったと」と仰っていた。彼は萩原聖人みたいにギャンブラーで…ってワケやないねんけど😁
ポスターの顔とコピーが格好渋い♪
フィルマのFan!第1号になれた😅
可愛い嫁と娘がおっても博奕で身を持ち崩す様がだらしなく見えないのがイイ、でも博奕に手を出す様を目の当たりにすると「破滅するのも無理無いな…」という説得力(やっぱりギャンブル依存症ってあるよなぁと思わせる)。

正直、ストーリー展開やオチは素人っぽい部分があるし、派手な仕掛けも一切無いのに114分飽きずに見られたのは出演者全員の頑張りにあると思う。それぞれ見せ場があって皆さんハマってた。
賭場の紅一点やった大家由祐子さん(クラブのママって設定)の着物がカラーで見られなかったのは残念😣
最近よく見る小市漫太郎が今回もイイ味エエ声♪
カスリコ仲間2人の役者はどっちも良かったし、在日エピソードがここに入ってきたのも当時を思わせ泣かせる。
何気に衣装にも気を使われていたように思う。モノクロ映像も相まって毛羽立った感じがよく出てた(あんな風合いの上着、私が子供の頃親父が着てたのうっすら憶えてる)。

最後までモノクロビスタサイズで〆てくれたら★4.3いや4.4でもエエくらいやったのに…😕
高知ではちきん😍と皿鉢料理で酒酌み交わしたい🍶🐟
えりみ

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