鷺宮テラス

あなたの名前を呼べたならの鷺宮テラスのネタバレレビュー・内容・結末

あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

仏教発祥の地にヒンドゥー教が8割を占めるインド。イスラム教の侵攻により仏教が壊滅した歴史があって仏教以前から存在したバラモン教とヒンドゥー教が混合し台頭したインドには独特の価値観がある。

亡くなった夫の遺体を焼く炎に自らも身を投げる"サティー"という行動が妻のあるべき姿。

今では禁止されているので村から追い出すという方法を取っているのかもしれない。字幕訳では口減らしと言っていたけれども夫を亡くした信心深いラトナの気持ちはどんなものだったのだろう。

ITの発展とともに経済大国になったインドでは階級の低い人たちが高学歴富裕層になり新たな層が形成されていた。彼らの日常会話は英語に溢れ英字新聞を読み英語の報道番組を観てた。

都会のムンバイで住み込みのメイドになったラトナ。ムンバイの街並みは古めかしい建物と近代的なビルが混ざり合って日本と似ているようで親しみを持てた。

ラトナの作るチャパティと共に食べるカレーは美味しそうでインドに行ってラトナのように手で食べたい。

独特の木管楽器のような音色が入った音楽もすごく良くて、エンディングで流れた歌はたのしげで思わず踊ってしまったよ。

インドの新旧の文化社会を取り上げてくれつつ
それでいて
穏やかで、優しさに溢れた作品でした。
鷺宮テラス

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