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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのwhiskeyのレビュー・感想・評価

3.0
少し変わったハイスクール学園モノのコメディ映画。脚本を何度も書き直したらしく、そのためかストーリーが全体にガチャガチャしていて、テンポもイマイチな感じはしたけど、それなりに楽しめた。

主人公のモリーとエイミーは、とにかく勉強だけしかしてこなかったサエない女子2人。生徒会長のモリーはイエール大に進学するのを自慢げに話すんだけど、じつは馬鹿にしていたクラスメイトたちも遊んでばかりいるように見えてじつは勉強もしっかりやってて、同じイエールとか、あるいはスタンフォードとかジョージタウンとかの名門大学に進学するのだと知って、モリーは衝撃を受ける。それで「勉強以外の楽しみを捨てた自分は馬鹿だった。一晩で高校生活を取り戻そう!」と、親友のエイミーを誘って卒業前夜のパーティーに突撃する……という話。

設定として新鮮なのは、エイミーがレズビアンだということかな。といっても、そのことに対する差別とか暗さとかは全然なくて、ただ片思いの相手に告白しようかずっと悩んでいる。一方のモリーも、じつは一番の人気者のおバカ男子に片思いをしている。二人は結局、どちらも失恋するんだけど、その失恋が明らかになる場面はなるほどと思った。

良かった場面は、モリーが「彼は私みたいな性格ブス、眼中にないよ」と言うと、エイミーが怒ってモリーの顔をひっぱたくところ。「私の親友をそんな風に言うのは許せない」と。あとは主人公2人がそれぞれ唐突に始めるキスシーン。どちらも意外性があって面白かった。女子が下ネタを明け透けに語り合う場面が多すぎて、そこはあんまり好きじゃ無かった。要らないと思った。

クラスメイトを演じているほとんどの俳優さんたちは無名のようだが、みんな楽しそうで、キラキラしていた。僕は感情移入できる年齢じゃないけど、それなりに楽しく見られたのは俳優達の好感度のおかげかもしれない。特にホープという女の子が好きだった。美人なだけのちょい役かと思ったら、後半意外と活躍する。

本作の監督は女性で、とてもきれいな人。どこかで見たことあるなと思って調べたら『ラッシュ/プライドと友情』で、クリス・ヘムズワース演じるジェームス・ハントの奥さん役をやった人だった。あと、ジジというエキセントリックな女の子を演じていたビリー・ラードという女優さんは、キャリー・フィッシャーの娘さんらしいです。ルックスは全然似ていなかったけど、結構いい役どころだった。
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