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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのkuuのレビュー・感想・評価

3.0
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
原題 Booksmart.
映倫区分 PG12.
製作年 2019年。上映時間 102分。
女優オリビア・ワイルドが長編監督デビューを果たし、女子高生2人組が高校最後の一夜に繰り広げる騒動を描いた青春コメディ。
主演は俳優ジョナ・ヒルの妹としても知られるビーニー・フェルドスタインとケイトリン・デバー。
ビーニー・フェルドスタイン(モリー)は、俳優のジョナ・ヒルの妹。
また、他のキャストにメイソン・グッディング(ニック)は、俳優キューバ・グッディングJr.の息子。
モリー・ゴードン(アナベル/トリプルA)は、脚本家ジェシー・ネルソンとTVディレクターのブライアン・ゴードンの娘です。
ビリー・ラウド(ジジ)は、エージェントのブライアン・ラウドとキャリー・フィッシャーの娘。
ウィル・フェレルとアダム・マッケイが製作総指揮。

高校卒業を目前にしたエイミーと親友モリーは成績優秀な優等生であることを誇りに思っていたが、遊んでばかりいたはずの同級生もハイレベルな進路を歩むことを知り、自信を失ってしまう。勉強のために犠牲にしてきた時間を一気に取り戻すべく、卒業パーティへ繰り出すことを決意する2人だったが。。。

オリヴィア・ワイルドの監督としては初の今作品は、非常にカラフルでエネルギッシュで印象的な作品でした。
確かに多くの人がその高揚感によって素晴らしいコメディだと納得するかもしれない、という点では頷けはするが。
しかし、その代わりに、面白くて巧妙で機知に富んだ素材が実際にはないことを無理にカバーしようとしすぎて、ただただ精一杯に感じられたのは否めない。
小生が10代なら好評かしてたかもしれません。
本の虫、がり勉(もはや死語かな)の主人公たちは、将来のために犠牲を払った挙句、自分たちの高校の遊びまくってたタイプは、みんなアイビーリーグの学校に入ったと知って愕然とする。
ってのが前提になってる。
もし、今作品が、家族の寄付のおかげで誰もがレガシー優先学生であるような裕福な地域社会を舞台にしとるなら、これは理にかなっている。
しかし、今作品では、2人の登場人物を唯一の『マブの金持ち』として特別視してる。
その二人は、主役の女子二人を除いたすべての登場人物と同様にマンガや。
さらに悪いことに、この二人は、主役の二人を除けば、いずれも10歳ほど年を取りすぎた俳優が演じている(年齢に間違いがあってもそう見える)。
とは云え、今作品が完全な茶番劇であれば、その前提や配役とか全てが上手にいったかもしんが、今作品は、ある種、リアリティーを重視してるようであり、それにもかかわらず、登場人物たちは過去にも現在にもないティーンエイジャーのように振る舞っている。
今作品では、すべてが過剰に演出され、効果のために工夫されているが、そのアプローチによってもたらされるはずの独創的なコメディの状況や明るいラインはどこにも見あたらなかった。
でもまぁ、非常に生き生きとしていて、よく練られた映画なのは理解できる。
しかし、そうであるにもかかわらず、完全に偽りの、面白味のないものに感じられる。
おそらく、小生がひねくれ者である故にが大きな要因やろとは思うが、
正直、嵌まらなかった。
『スーパーバッド 童貞ウォーズ』女子版とジョン・ヒューズ作品みたいなミックスを狙ったとも考えれるが、それらの作品は、まだ理解しやすいティーンエイジャーの生活を、心を込めた茶番に変えることに成功してたし、もし今作品が同様のことを意図していたとしたら的外れな作品と云える。
努力には認めるが、派生的・非発想的な内容はかなり劣り、その空虚な内容を隠そうと過剰に努力したことにも残念だった。
表紙は派手だが、中身は何一つオリジナリティがなく、考えもしない学生新聞みたいやし、恐怖新聞の方がいくらか内容はあるかな。
kuu

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