tetsu0615

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

あー素晴らしい青春映画だ!

勉強に邁進してきたモリーとエイミーが、あることをきっかけに卒業前夜のパーティーで青春を取り替えそうなお話なのだが、もう楽しくて笑えて最高!!

彼女たち2人がお互いを最高にイケてると思いあってる姿もステキだし、パーティーに行こうと右往左往してる様も楽しい。でも彼女たちを待っていたのは自分達が見てこようとしてこなかった世界の数々…

2人だけの世界で生きてきた彼女たちが、卒業前夜のパーティーへの道のりの中で自分達の知らない世界や同級生の一面を知り、ちょっぴり傷つきながら新たな道へと進む青春グラフィティ!
彼女たちのキャラクターも素晴らしいが、周囲のキャラクターも秀逸!神出鬼没のジジは全登場シーンで笑った(笑)し、各々のキャラクターがしっかりと考え生きているというのを確かに感じさせる。上記の通り、彼女たちの青春物語的ではあるが、下ネタ満載かつポップで陽気な語り口で笑いを提供しながら前へ前へと突き進む様が楽しい作品

オープニングから2人の楽しげな雰囲気を感じさせつつ、彼らが真面目で勉学に勤しんでいる様や周囲のキャラクターたちをサラリと見せてくれる。
彼らは個性豊かな様々な趣向や見た目を持っていたりするがそういった部分を貶めるキャラクターがいないのも理想的な世界だなと。
モリーが自分以外の学友が同じようなレベルの進学先や就職先に進むことを知り、がく然とする場面なんかも印象的なように音楽がポップかつインパクトの残るような場面で使われているのも効果的。

パーティーに向けてドレスアップしたお互いを褒め合う姿はとても微笑ましいし、エイミーの両親のコメディリリーフ的な登場も面白い。そこからパーティーの場所が分からないというオチも良い笑

ここで登場するのが金持ちのジャレッド。モリーの事を気にかける彼が2人を連れてきたのは自身が開いたパーティー会場。しかしそこにはジジしか居らず…このジャレッドくんが後々、噂されている事と違う自身の姿を吐露する姿はとても印象的だし、知らなかった学友の姿を知る場面でもある。
ジジのぶっ飛びっぷりはパーティーごとに発揮され(神出鬼没な)登場をするたびに笑いをさらう。
そこを離れパーティーに行く道中、車を呼んだらドライバーが校長、しかも車内でポルノ見たら大音量で流れちゃうなんてコントのような展開にも笑いが止まらん(笑)
しかし、これまた目的のパーティーとは違うパーティーに参加することになり、ドラッグ漬けイチゴのせいでとんでもない幻覚を見る2人。これまたシュールで…(笑)
そしてまた出てくるジジ(笑)もう最高だよあんたは(笑)そのハチャメチャな感じも含めて愛おしいキャラクターだなぁ~

ピザ屋のドライバーを髪の毛で顔隠して脅そうとする2人の姿にも笑えたし、ドライバーなんでそんなに犯罪に詳しいの?と思いきや後にまさかの伏線回収にもビックリしましたなぁ(笑)

仲の良い先生に車に乗せてもらい、どうにか目的のマイクのパーティーへとたどり着いた二人。
そこで2人を待ち受けていたのは、思いがけない学友たちの姿や知らなかったこととの出会い、そして切ない恋の痛みとケンカ…プールに潜った時の美しさと切なさ、2人がケンカしてしまう時など音楽の使い方も印象的。
ここでジャレッドだったり、トリプルAと呼ばれてた子がイメージのとは違うんだよと本音を吐露する姿を知り、ホープとの初体験を通し、2人は今まで知らなかった世界を知り、成長していく。そこには切ない思いも含めて…

まさかの留置所で卒業ピンチかと思いきや、まさかの伏線回収で脱出成功(笑)

ラスト、卒業の挨拶として語られるのが「知らなかった世界をもっと知ること」--本作の大きなテーマであり、それを卒業のスピーチとして語らせる手口もスマートだなと。
2人が別々の道をとりあえず歩み出すことになり、空港で見送りお互い感傷に浸ってる…と思いきやとポップな2人の友情に明るく劇場を後に出来るステキな青春映画でございました

知らない世界や他者を知り、理解すること、そんな普遍的であり一番大切な事を気づかせてくれるポップで笑える青春映画の新たな傑作だ。
tetsu0615

tetsu0615