都部

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューの都部のレビュー・感想・評価

3.6
ガリ勉優等生の二人が勉強一色の青春で終わるものかと卒業前夜イケてる奴等のパーティに乗り込む青春映画。

派手な映画かも思いきやその実タッチは丁寧。
自己肯定感やスクールカーストまた自分の持つ性嗜好に悩み向き合う主人公達、LGBTQに対する描き方が実にスマートなそれで非常に楽しく心地の良い映画だった。

この手のカースト物にしては珍しく悪が存在しないというか、カーストの頂点で馬鹿やってる奴等もまた自分達と同じ人間な訳で。主人公のモリーの終盤のあの台詞が、だからまさにそうなんですよね。穿った目で見ていたの自分達もであって、けしてあの人達は遠くもないし違くもないよという。青春映画の最新版といった感じでよろしい。
抱えてる事情に向き合う姿や生き方を個性として肯定して見せてるのが自分の肌に合う描き方だなと。様々な方向性で尖った奴等が出てくる訳だが、その誰もがあるべき姿を見つけるという意味では優しい話ですね。
女性脚本家だからこそのドギツイ下ネタの応酬は結構好きなんですが、随所に挟まるボケとかは自分にはあんまり刺さらなかったというのが正直な感想ですかね。以上。
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