滝井椎野

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューの滝井椎野のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

最高の青春映画。
これ一本で学園青春ドラマをワンシーズン見終えたような満足感があった。
個人的に、本作で特に魅力を感じたのがキャラクターだ。登場人物たちそれぞれがしっかりと見せ場を持ち、その濃すぎる存在感を発揮している。主人公二人のやり取りは終始空回りしていて、それがとても愛おしい。マララ・コードやお互いがお互いをべた褒めし合っているシーン等、二人のこれまでの学生生活を何となく想像できる描写の数々が後の喧嘩や和解、卒業式のシーンに活きていてとても良い。
その他、学友たちも主人公二人の珍道中の合間合間で出てきては、強烈なインパクトを残していく。登場人物の数は割かし多いのだが、最後には皆が好きになる。これは凄く懐かしい感覚で、数年の学生生活を共に過ごし、最後の最後で卒業する瞬間になると、友達から特に親しくもなかった同級生まで皆との別れがとても寂しく感じるあの感覚に似ている。個人的には、毎回最後に良いところを持っていくジジのキャラクターはズルいと思った。
勿論学生たち以外のキャラクターもしっかりと立っており、校長先生や、やたらと防犯意識の高いピザ屋の配達員……愛すべきキャラクターばかりで終始笑顔でみていられた。
かなり多様性に富んだキャラクターたちなのだが、それを変に強調したりせずに当たり前のものとして描いてるのがとても好ましく、これからの世界の有り様という点から大きな可能性を感じた、
ストーリーも勿論素晴らしく、見終わったあとの幸福感は今年みた映画の中でもトップクラスだった。
これだけでも十二分に満足度は高いが、続編が見れるとするなら是非ともこの二人のそれまでの学生生活や、これからの人生も見てみたい。
滝井椎野

滝井椎野