【乳歯】
SSFF&ASIA2019にて公開されたアメリカ産のショートフィルム。まさにカンヌ国際映画祭が好きそうな題材とその雰囲気。そもそも〝ショートフィルム〟の作り方の正攻法と言っても良い作品だったので評価したい。
ある夏の出来事。シングルマザーは子供3人を車に残し、仕事の面接に向かった。車中では暑さに苦しむ子供たち。長女にあたるキャロラインが必死に車内のエアコンをつけようとするのだが…。
前述した〝ショートフィルム〟の正攻法についてだが、あくまで僕自身の意見である。それは多くを語らない事。この家族の説明は劇中一切語られていない。しかし映像だけで、この前に何があったのか。この後に何が起こるのか。を簡単に想像できる。これだけで短尺にした意味が大いにあって、しかしその中で物語に起伏が存在する。
面白い面白くないは一旦置いといて〝ショートフィルム〟としては成功の枠に入ると思う。
この映画は起承転結の承転で成り立っている。起結は僕ら視聴者に委ねられているのだ。