あでゆ

パーフェクションのあでゆのレビュー・感想・評価

パーフェクション(2018年製作の映画)
2.8
かつて将来を有望視されていた天才チェロ奏者は、母の介護によって夢を諦めていた。母の死をきっかけに彼女は元恩師を訪ねるが、そこには別の才能豊かな愛弟子がいた。

いかにもネットフリックスらしい、ブラックミラー的な(SFではないが)どんでん返しサスペンス。
ちょうど物語中盤までは本作がどこをめざしているのかわからず、エロティックな百合物なのかなと思いきや、半分に差し掛かるとどういった映画かが垣間見えてくる。
はじめてそこで、それまでに劇伴として使用されていたチェロの不穏な音色の正体が姿を表してくるわけだ。

とはいえ、このどんでん返しがうまく言っているかと思うとそれは別問題で、飲み会で決めたんかみたいなストーリー展開が続くので、割と早い段階で興味は失ってしまった。
どんな映画かよく見えず、その展開に振り回されるB級映画には『サプライズ』があるが、本作の驚きはそれ以上に荒唐無稽で、あまり真面目に見ようという気が起きなくなってくるのだ。
話のインパクト自体もだんだんと落ち着く方向に寄ってしまい、終盤の第二の驚きはなんとなく予想がついてしまう始末。
ただしラストの登場人物達のある顛末はかなりショッキングで、Netflixとはいえ90年代エロゲみたいなオチを唐突に打ち込まれたことには少々絶句してしまった。

『ゲット・アウト』のアリソン・ウィリアムズがまたしても自分のことを信じ切っているクソ女を演じており、なんか綺麗そうだけど眼力が怖い女優ってこういう使われ方をするだなと思った。
観客の期待を裏切ることに囚われすぎた結果、崩壊してしまった作品。
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