映画大好きザウルスくん

悪人伝の映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

悪人伝(2018年製作の映画)
3.5
ここ最近で1番楽しみだった作品!

率直な感想としては、充分に面白かったもののマブリー主演作の中でダントツ1位というほどでもなかった印象です。物語の比重はマブリー率いるヤクザ側とキム・ムヨル率いる警察側の割合が半々くらいなので、マブリー単独の無双シーンに期待していた僕は少し肩透かしを喰らいました。

そもそもこの映画は実質警察役のキム・ムヨルさんが主人公で、本質的な活躍も美味しい場面も全てキム・ムヨルさんに取られている気がしました。ただし戦闘シーンに関しては圧倒的にマブリー頼りだったので全体的に『ザ・ロック』のショーン・コネリーとニコラス・ケイジみたいなバランスの映画でした。

また本作を観て、そもそもマブリーは見た目通りのヤクザ役よりも怖すぎる警察役の方が似合ってるのではないかと思いました。悪人同士で潰しあってるのもいいのですが、とても警察には見えない見た目と犯罪者をブッ飛ばすビンタの爽快さのあった『犯罪都市』の方がマブリーの魅力を最大限に引き出せていて面白かったです。

ここまでは否定ぎみでしたが、もちろんこの映画も最高でした!マブリーの暴力描写って何故か笑ってしまうんですよね(笑)。人間サンドバッグとか食事中のビンタとか前歯引きちぎりとか…暴力の乱れ打ちが実に愉快です。また、終盤に出てくるヤクザの親分の迫力が画面いっぱいに広がるシーンは誰もが圧倒されることでしょう。これが一般人とは違う闘いに生きてきたヤクザの、それもヤクザの親玉の身体なのか…なんと恐ろしい!

韓国映画特有の残酷描写の数々や多少の胸糞展開、その先に生まれるカタルシス(ここはもっとハッキリ欲しかったけど)も含めて現代最高レベルの韓国ノワール映画だと思います!マブリーファンの必修科目です🙌