籠

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリンの籠のレビュー・感想・評価

3.9
日本に来ることなくあの世へ逝きライブを観れずじまいだったアレサ・フランクリン。1970年代初頭なのでバーナード・パーディー等の大好きなミュージシャンの演奏シーンへの過度の期待はしないで観たが当人が歌うシーンだけで圧倒され、ましてやアレサの父のスピーチに続くベースとドラムが鳴らない最後の弾き語り中に起きた客席での出来事がまるで居合わせたかのように何が起きたのか分からない衝撃が脳内から体内を駆け巡り呆然と号泣してしまった。
宗教に付随する音楽が素晴らしいと身体は自然と連動するのだ。こういう体験は「カラーパープル」以来かもしれない。つくづく日本におけるダサい音楽しかない宗教の特異性を改めて感じる。
特異といえば特異な動きが映し出されるシドニー・ポラック
この作品が当時公開されていたら?
数年後の「ザ・ヤクザ」をロバート・アルドリッチ が監督していたら?
それぞれの数奇な70年代を都合よく空想してしまう。
それにしても上映すべきはここじゃない(-0.1)。もっと音響にこだわった映画館だったら更に印象が変わる気がする。
爆音、オデッサ、新文芸坐
そういう機会を待ちたい。
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