たばた

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリンのたばたのレビュー・感想・評価

4.0
音楽ドキュメンタリーを撮ったことがなかったシドニー・ポラックが、テイク毎にカチンコを鳴らさずに撮った結果、音と映像の同期が困難になり…っていうのが50年近く今作がお蔵入りになってた理由らしい。
それにしても撮影があまりにも雑過ぎて、映像作品としてのクオリティは決して高くはないと思う。
アレサ自身はといえば、特に前半は緊張しているように見えて、歌唱も絶好調かどうかは怪しいというか、高音の豊かさとかは、もっと良い出来の時もあるよねって感じ(いや、もちろん信じられないくらい素晴らしいパフォーマンスなんですよ)。そういうのも含めて生々しいし、ライブ感や没入感は高いのだけれど。

全体としてはこういう感想になってしまう。

しかし!
「あの曲」で訪れる、まごうことなきマジカルな感動には、文字通りむせび泣いた。せいぜい7〜8分?の出来事なのだけれど、前後から切り離されたかのように、あの曲の時だけ、スクリーンのあちら側もこちら側も、みんな恍惚としながら涙を流していた(ように感じた)。この瞬間のためだけに観る価値のある映画だと、個人的には思う。
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