みどり

パブリック 図書館の奇跡のみどりのレビュー・感想・評価

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)
3.7
2020/10/11
メトロ劇場

公共図書館で働く図書館員のスチュアートは常連利用者のホームレスに「今夜は帰らない。ここを占拠する」と告げられる。

大寒波の影響で路上で次々と凍死者がでているのに市のシェルターは満杯で空きがない状態。
そのため行き場がないという理由から。


スチュアートはホームレス達といっしょに図書館の中に立てこもるのだが、
それは平和的な、寒さをしのぐための避難所になるならという理由だったのに、いい加減なメディア、自分のことしか考えていない検察官達によって、スチュアートの気持ちはどんどん傾いてゆく。


ホームレスの人たちはずっとホームレスなのだと、先入観でそう思っていたけれど、
なぜ、ホームレスになったのか、そんなことを本人に聞ける瞬間なんて滅多にない気がする。

彼らはもちろん、出てくる登場人物達は見た目ではわからない、なかなかに重いものを背負っていて。
それが見え隠れする瞬間に、人間味を感じてよかったです。


ただ、彼らの避難所を確保する手助けをしていたスチュアートを人質立てこもり犯に仕立て上げようとする検察官には嫌気がさしてしまったが、館長の志の高さにただただ、感動してしまった。



奪われるものが何もない私たちが1番自由

というような言葉が印象的で
貧しくとも前向きに捉えているホームレス達が素敵に見えた


感動系のお話かと思いきやしっかりと社会派要素も織り交ぜながら
ラストは爽快感抜群で、エンドロールもかっこよくて。
派手さはないかもしれないけれど、またひとつ、大事なことをこの映画で教えてもらった気がします。




久しぶりの、日曜のレイトショーは疲れていてもしあわせの空間でした。
みどり

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