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ストックホルム・ケースのkassyのレビュー・感想・評価

ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)
3.2
オンライン試写にて。

ストックホルム症候群の語源となったノルマルム広場強盗事件を描いた作品。

ストックホルム症候群とは、誘拐や監禁事件下において被害者が犯人と心理的なつながりを持つような事象の事である。

本作のイーサン・ホーク演じる犯人は、立てこもり事件を起こすものの、人質達に危害を加えることなく優しく、どこか茶目っ気のある憎めない人物として描かれている。あくまで親友であるマーク・ストロングと共に国外脱出をしようという目的の遂行の為に行動する社会からはみ出してしまった気のいい男なのだ。

事件は1973年。スウェーデン史上初めての立てこもり事件、初めてのテレビ中継された事件のようだ。
凶悪犯罪というよりは、どこか牧歌的なゆるい空気が漂うのは、ボブ・ディランをはじめとした軽妙な空気づくりに他ならない。人質達も最初は怯えるものの、犯人達ほ人となりがわかり始めると奇妙な連帯感が生まれだして緊張感がなくなっていき、犯人達に協力し始める始末。
被害者ノオミ・ラパスも最初は怯えた感じをだしてるけど、やっぱりガタイいいし今にも華麗なアクションしだしそうでなんとなくミスキャスト感が…

警察もめちゃくちゃ至近距離で犯人達と交渉するし、だんだん犯人達が殺すわけないとナメはじめるのが滑稽である。

話が特別面白いわけでも
演出が面白いわけでもなく、
なるほどこういう語源なのかぁ〜
と知識の蓄えになる、そんな作品だった。

見どころはマーク・ストロングのロン毛。
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