ryodo

ストックホルム・ケースのryodoのレビュー・感想・評価

ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)
4.3
イーサン・ホークの人質になりたい。

[ストックホルム・ケース│Stockholm]'18
伝記/犯罪/コメディ/ドラマ//ロバート・バットロー監督/イーサン・ホーク/アーム・ストロング
(Fan's voiceオンライン試写会)

─ストックホルム症候群の語源になった、1973年にスウェーデンのストックホルムで起きたノルマルム広場強盗事件を題材に描く─


『なぜ人質は、犯人に味方したのか…』

めちゃめちゃ面白かった!
イーサン・ホーク大好き。

「ストックホルム症候群」とは、
誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築くことをいう。

こーゆー心理って映画の題材にされやすいのかなぁ。あんま見たことないけど、思いつくのはケイト・ウィンスレットの「とらわれて夏」とか?

とりあえず、
本作はまさにそんな「ストックホルム症候群」の語源になった実際の事件を描いている…73年にスウェーデン・ストックホルムで起きた銀行強盗事件。

ある悪党が一人で銀行強盗に…
そして女性を人質にとり…
警察との長い交渉が始まる。

まず、イーサン・ホークのクレイジーでハイテンションな演技が最高!
あれは彼にしか出せないキャラクターだし、コメディ強めで面白い(笑)

人質役のナオミ・ラパスも良い。
初めましてだったけど魅力的な女優さんだなぁ。緊張感が伝わってくる演技。

そして、
肝心なストックホルム症候群的な心理ってのは…結局、無能な警察のせいで必然的に生まれてしまったのでは?
犯人は要求に答えず、人質最優先で動かない警察や政府が悪い。

そんな信頼できない警察なら…
そりゃ犯人側につきますわ!(笑)

金庫室で警察を手玉に取りながら強盗犯と人質が仲良さげな画が、
異常なんだけど最高すぎる!
狭い空間に犯人と人質…二人の男女…そこに愛が生まれたって不思議じゃない。

個人的には途中参戦する“ロン毛”のマーク・ストロングも好き。
ハゲてるイメージが強いから“ロン毛”にビックリ(笑)

事の顛末はちょっと意外だったけど、
ラストが最高なのよ…
あれこそが「ストックホルム症候群」の本質なのかもしれない。


イーサン・ホーク好きには堪らないし、シリアスとコメディが丁度良いバランスで娯楽として十分楽しめた。個人的には高評価。劇場でしっかり観たい!

アフタートークで監督ご本人登場。
ロバート・バットロー監督とイーサン・ホークのコンビは2回目なのか~『ブルーに生まれついて』も観てみたい。
しかし、最近やたらオンライン試写会が当たるな…(笑)
ryodo

ryodo