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その後の蜂の巣の子供たちのfallenleavesのレビュー・感想・評価

その後の蜂の巣の子供たち(1951年製作の映画)
4.5
不満があるとすれば、蜂の巣の子どもたちをもっと見ていたいということだけ。熱海の「蜂の巣」という共同体で暮らす子どもたちは背のびせず、互いの持ち場で、自らの役割を果たしながら生きている。
彼・彼女らのエピソードがゴロリゴロリといくつも投げ出されるが、情に訴える「オチ」がないのがいい。続いていく生活のなかを、子どもたちは、時にはこれで良かったのかと煩悶し、時には顔を見合わせ、綻ばせる。序盤に登場する「休暇の間、皆さんのお手伝いに来ました」お嬢さん的欺瞞はいっさい寄せつけない。この映画を観ている自分もこのお嬢さんたちのようになっていないか、よく考えながら観るとハッとする。蜂の巣の子どもたちと仲間になろうなんてバカな考えは捨てること。そうすれば、生半可なヤツは弾き出される、「蜂の巣」という共同体の盤石さが見えてくる。子どもたちのこの堅牢な繋がりを観れば、たとえば三流の任侠映画に出てくる大した仁義もきれない大人たちのほうが幼稚に見えてくるかもしれない。
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