うぐいす

おとうとのうぐいすのレビュー・感想・評価

おとうと(2009年製作の映画)
3.8
鶴瓶さんが、達者。俳優とか演技とかというより、とにかく「芸」が達者。そして、脇を固める方々の濃すぎず薄すぎずの加減が演出としても演技としても、ちょうどよかったです…“おばあちゃん”をする加藤治子さん、他の作品でも大好きなのですが、やっぱりいいとこもっていくなぁ。
また、ホスピスの描き方がしっかりしていて、その場所では日常としてある死と、個人の尊厳を大切にすることと、両方がリアリティをもって描かれていたなと思いました。

もしかしたら、世の中の流れとしては、肉親とのしがらみみたいなものからは解放されていこうとする方向にあるのかもしれないと感じていますが、そういう流れだからこそ、どうしても断ち切れない絆や情を、全肯定で描いているのは、願いとか希望だったりするのかなという気がしました。

加瀬亮さん出演作品でピックアップ。
蒼井優さんの小春ちゃんが“どこをどう切り取ってもいいところしかない幼馴染の亨さん”(しかもビジュアルは加瀬亮さん)を認識していながら、どうしてあんなケチとしか言いようがない男性に向いてしまったのか、まずその設定に無理がある‼‼ …と思うくらい、飾ることなく実直で包容力のある、紛れもない好青年な加瀬さんで、胸を撃ち抜かれました。好きなんだろうなーっていうのが少しずつ漏れてる感じがして、ため息。
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