お父さんしか持っていない外からかかる鍵やら帰宅を知らせる銅の鈴、土砂降りの中庭で休憩、地下の独房、各部屋を監視するための穴(普段は詰め物をしている)、螺旋状の階段、マスク無しで子供らが扱う猫イラズ工房、城門まがいの分厚い玄関扉…セットが素晴らしい。卸先の若い娘を買おうとして断られたら即娘の母親に被害者然として虚言(誘い方も雑)、妻にナイフを向けて恫喝してるとこ子供にみつかるや母の自殺を捏造、嘘つく瞬発力に優れたキチガイお父さん。指に針刺してチューチュー自分の血吸ったり、自分だけタコス食べてるしさ。入れて出すだけのセックスの粗末さと早さを鏡を使って演出してるとこもよかった。とにかくやることなすこと言うことすべてが鬼畜なお父さん、いつ毒殺で終わるかとヒヤヒヤさせといて、警察きてからの騒ぎでバタバタ終わるのもなんかよかったし。なんだかんだいっても咄嗟に夫を庇う妻、思わずパパを連れていかないでーって叫んでしまう息子。テンポもいいし脚本もいい。東京国際映画祭、映画はじまったとたんにスナック菓子ガサガサ開けてバリバリ&プシュ&スペイン語でおしゃべり&はあ〜あってため息がせわしないお客さんがやかましくて気が散って仕方なかったけど、それも途中からもうなんだか面白くなってしまった。お菓子2個目開けてたしな。