Maririri

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のMariririのレビュー・感想・評価

4.2
ストーリーが雑誌仕立てになっていて、冒頭のシーンの語り出しが"読み終わる"とスッと回収される仕組み。

上映前に観客の私たちにウェスがVTRでご挨拶をして下さいました。コロナ禍をここにいない理由にできるのに一切触れず「次回作を撮影しているので今日はそちらに行けずごめんなさい」って話されてて、次もあるよってファンにトス上げるだけじゃなくて、そう言われなかった事で前作と同じように映画を観れる気分になった。

エンドロールまで工夫されているから、キャストに賛辞を送れる。それがカーテンコールのようでウェスの作品を観た後は舞台を観た後に少し似ている。いつも上映後はそうであってほしいと常々思っていたから、昨日客電が点いた後に自然と拍手が起きたのがとてもよかった。こんな感じじゃなかったらきっとその中、舞台袖からウェスが出てきて、私は興奮して思わず立ち上がって拍手してただろうなって思ったら、全然泣くような作品じゃないのにちょっと泣きそうになった。

変わらずに映画を観れる感謝と、それを直に監督に伝えられないもどかしさ。だから公開されたらまた映画館に行って観るつもり。
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