かげぐち

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のかげぐちのレビュー・感想・評価

3.8
毒にも薬にもならないような大事な何かの表層を滑っていくような台詞と芝居、
目に心地良い色合いと構図、自分自身までセンスがよくなったような気分になる拡張性、なんというか雑誌的で、しかしながら映画でもあり、その辺が魅惑的ではある。
キャストも何かを演じているというよりは全体的なデザインの一部でモデルさんみたい。顔の造形フェチにはたまらない配役であった。

ただ雑誌って隅から隅まで凝視するような楽しみ方はしないよね、コンテンツの質が高く、かつテーマが自分の趣味と完全一致していても読まない記事とか特集とか絶対あるし。そういうのを無理やり観せられるのはちょっとなぁ
雑誌の謙虚さと映画のナルシズムが一気に迫って来て疲れてしまった
家でプロジェクターで流しみして、気に留ったエピソードだけ凝視したい。
が、画自体は劇場スクリーンで観られることを想定しているスケール感なのでもどかしい。