1975年、フランスの雑誌「ザ・フレンチ・ディスパッチ」の創刊者アーサー・ハウイッツァー・Jr.(ビル・マーレイ)が急死し、最終号を発行することになる。そこに掲載される3つの物語と、担当記者たちによる追悼記事が作られていく様子を描く。
イマイチ相性の良くないウェス・アンダーソン監督作品。
滑稽な物語の端々でジャーナリズムのあり方に言及しているようにも見えたけど、それよりも囚人と看守、記者と学生の近いようで遠い関係性に好奇心をくすぐられたし、3つのストーリーそれぞれの哀愁漂うオチが面白かった。
それに、今までの作品よりもジェンダーやジェネレーション、人種も意識した設定が多かった気がする。
何よりも印象に残ったのは、冒頭の街並みの鮮やかさだ。これぞウェス・アンダーソンの世界。
ポップで美しい映像の中で、奇妙で笑える小話が展開されるという構図は唯一無二だ。
ビル・マーレイからリナ・クードリまで、相変わらず豪華すぎる出演者とともに、ファンには堪らないだろう。