マングースOL

見えない目撃者のマングースOLのレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
3.3
🖋あらすじ
警察学校の卒業式の夜、自らの過失で交通事故を起こしてしまった浜中なつめ。視力を失うとともに、同乗していた最愛の弟を亡くし、警察官の夢も絶たれて絶望的な日々を過ごしていた。
そんなある日、なつめは車の接触事故に遭遇するが、その後部座席からは助けを求める女性の叫び声が聞こえてきて――。

「 確かにこの耳で聞いたんです 」

🖋一言コメント
ラスト近くまでは良かったのに……という惜しい部分が目立つ作品。リメイクらしいので原作もそうなのかな、と考えるがとりあえず単体で評価するとこんな感じである。途中までの期待値が大きかっただけに落胆が大きい。

🖋感想&考察 ⚠️ネタバレ注意⚠️
中盤まではなかなか良くて、視力を失ってしまったきっかけやその後の生活の様子、事件発生、高校生と手を組んで手がかりを掴んでいくところ、そして女子高生の死体が不気味に見つかるシーンは、なかなかぞわりとさせられた。周囲の刑事もただ面倒くさがってなつめを否定するだけの「よくある無能刑事」ではなく、しっかり捜査するところはする、というある意味リアルな描かれ方をしていてストレスなく観れた。
なかなか手に汗握るというか、題材も宗教絡みで重く、ドラマ「ストロベリーナイト」にも似た雰囲気で終始続くのがいい。

しかし、問題なのはいよいよ犯人が明らかになり、なつめが追われるシーンから雲行きが怪しい。他の方のレビューにも書かれてるが、何故犯人はダッシュをしないのか……いや最初は「追いつけるでしょ」と思ってたけど、途中でなつめがダッシュし始めた時点で走るべき。ただ、あそこのシーンは賛否あるものの個人的には好きだ。点字ブロックを頼りに真っ直ぐに伸びる道。何も見えない中、盲導犬なしで決死のダッシュ。気迫が感じられてなかなか良かった。それなのに後ろからノロノロ歩いてくるものだからリアリティが削がれて興ざめしてしまったのが残念。

「 警察が正義の味方だってところ見せてやるよ 」

また、屋敷突入のシーンも、いやいや援軍なしで突入は無理あるだろ!とか、そもそも最初に行った人が帰ってこない時点でヤバいだろ!とか、ツッコミどころが多すぎてややもたつく。邦画にしては情け容赦なくサブメンバー級の登場人物が惨殺されたのは予想を裏切られて度肝を抜かれたが、だからこそ尚更、その後に何故か高校生にトドメを刺さないところが不自然すぎて違和感が残りまくっていた。
幕引きも尺がなかったのか結構乱雑。もう少し余韻というか、大団円でなくとも締めくくりの仕方があった方が好みだったなと感じた。うーん、惜しい。