ベイビー

見えない目撃者のベイビーのレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
4.4
これは凄い。面白すぎる…
もう「面白い!」とだけ伝えたい作品。是非予備知識なしで映画館で観ていただきたい作品です。

ただあらすじだけザックリ言わせてもらえれば…

警察学校卒業したてのなつめがある日過失で交通事故をおこし、その事故で弟は死に、自分も失明してしまいます。

視力を失い未来を失った失望感
弟を死なせた絶望感

事故から3年が経ち、失意から立ち直れないなつめは、ある日些細な衝突事故の現場に遭遇します。

その事故はスケボー少年と車が危うくぶつかりそうな些細な事故だったのですが、なつめの耳に微かながら車の後部から「助けて…」という女性の声が確かに届きました。

なつめの制止を振り切り立ち去る車。翌日なつめは警察にこの話を持ち込みますが、なつめが障害者ということもあってかあまり相手にしてくれません。

なつめはどうにか捜査をしてもらうために、もう一人の目撃者であるスケボー少年を探してくれと願い出ます…

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とにかく話の作り方が上手い。ストーリーの展開を一手一手丁寧に積み重ねているのが観ていて伝わります。

監督は森淳一さんで、僕はこの人の作品を橋本愛さん主演の「リトルフォレスト」で拝見させていただいたのですが、その時の印象として「この監督、丁寧に仕事される方なんだなぁ」と感じました。

その時の印象が蘇ってしまうほど、今回の作品も丁寧で無駄がありません。序盤から少しずつ伏線を張っていき、要所要所で少しずつ伏線を回収していく丁寧さはお見事。ですから終始作品にのめり込んでしまうのです。

作品の構成がまた秀逸で、黒澤明監督の「天国と地獄」や韓国の「オールド・ボーイ」のように、前半のミステリーパートと後半のサスペンスパートを巧みに合わせながら、作品の面白さを幾重にも重ねています。

とにかくセリフにせよ演出にせよ無駄の少ない作品でした。唯一、このご時世こんな都合の良い場所に不法投棄が… とは思いましたが、それ以外はずっと楽しく作品に入り込むことができました。

邦画でもこんなに面白い作品が出来るんだぁ…

と思っていたら、これ韓国の「ブラインド」という映画のリメイクなんですって。でも脚本としては、かなりオリジナルより手を加えているそうなので、いずれオリジナルも見比べてみたい気もします。

あ、自分で「予備知識なしで観ていただきたい」と言っておきながら色々語り過ぎちゃいましたね。でも、まだまだ語り足りないので、ネタバレを含めた話の続きはコメント欄へ入れてさせていただきます。
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