RIO

見えない目撃者のRIOのレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
3.5
吉岡里帆の演技が素晴らしい。
本当に見えてないんじゃないかと思うほど、焦点の合わない演技がとてつもなく上手いなと感じました。
彼女がどれだけ作品に恵まれてこなかったのかがよく分かります。

田口トモロヲさんもすごく良かった。
定年前の優しげな刑事をリアルに演じてました。
ベテランならではのいい味を出してます。

女子高生のキャスティングはリアルで良かったし、サスペンスならではの良い緊迫感が漂っていて、前半に関しては、とても良質なサスペンスになってました。

が、問題なのは、後半。

これからどうなっていくんだろうという期待が膨らんだ前半と比べて、脚本が雑。

ツッコミどころ満載な展開とナンセンスな演出にちょっとガッカリしました。

地下鉄で、明らかになった犯人に吉岡里帆が追われるシーンがあるのですが、
スマホを目の代わりにして誘導してもらうのはすごく良いアイデアだと思います。

でも、それって誰なのか分からない者が少しづつ近づいてくるから、ドキドキハラハラが生まれるものであって、先にバラしちゃってるから、本来出せるはずの緊迫感が薄まっていた印象を受けました。
非常に惜しい。

特に微妙なのが終盤。
刑事のバカな行動が目立ったり、
「そこで銃拾わないって、犯人どんだけ頭悪いんだよ」とか、
「そこもっとしっかりと経路を遮断しておけば出れなかったのに、何やってんの?」
みたいに、ツッコミを入れちゃう場面がとにかく多い。

ストーリー展開も、読みやすかったし、そこまで意外性は無く、いたって平坦です。

R15+なのに、思ったよりグロくないから、R指定のグロ表現を全然活かしきれてないし、後半につれて、キャラクターの行動に疑問が増えていくし、犯人の動機もなんだか曖昧だし、
なにかと中途半端なところで終わらされた印象を受けました。

もう少し脚本がしっかりと練られていれば、傑作になりえたのに。
ほんとにもったいない。
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