吉岡里帆主演作。
吉岡さんをようやく評価できる作品に出会いました。これはよく出来てる。コテコテの設定をものの見事に成功させてます。ドローン撮影に懐疑的な自分もこれは納得。いつもこのテの作品のあるあるで、殺人鬼の殺しの動機がすんなり納得できないんですよね。何かになぞられたりしても、犯人本人の根源的な欲求の説明って不足がちなんですよね。若い女の子の何が欲しかったのか。模倣犯だとしたら儀式の意味が不明。一過性の娯楽作としてなら、そこまで求めることないんだろうけど、何度もリピートして見る作品になるには、もう一声欲しいところ。「ミレニアム」の場合は女性憎悪、「羊たちの沈黙」は女性への変身願望。そして殺戮場面は描かない。日常生活の中で、男性の性欲が支配欲に変わる時、決まって事件が起こる。見たい知りたい触りたいがエスカレートする。極端なパーソナリティで納得してしまう犯人像で非日常を体験する作品ながら、実際に家出少女達の事件が多発しているという現状。すぐそこにある危険。そこが作品にリアリティを持たせるという皮肉と現実。ホントよく出来てます。
