風来坊

見えない目撃者の風来坊のレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
3.5
ちょっとややこしいリメイク作品。オリジナルは2011年の韓国映画の「ブラインド」それを中国でリメイクした2015年の映画「見えない目撃者」を日本版リメイクした作品。

男性ウケは良いけど、あざといとかで女性ウケは悪いという吉岡里帆さんが主演。何時ものほんわかとした雰囲気は封印してツラい過去と障害を背負いながら猟奇的な事件に挑む元女性警官を好演しています。

目撃しているけど見ていないという矛盾のような、目が見えないというもどかしさを効果的に設定に落とし込んでいます。デートクラブとか事相ネタも組み込んでいて面白い。

被害者を救いたいという気持ちと正義感が強いのは分かりますが主人公の空気を読めない感じと、今時の子なんでしょうけど言う事を聞かない感じの高校生の態度が気になりますね…。警察も一般人に頼り過ぎで無理させ過ぎです。

かなりグロいシーンも多く元ネタに負けない猟奇的な雰囲気を出せています。見えない事の演出が「羊たちの沈黙」の暗視カメラみたいな感じで緊張感がありました。全体の展開は中国版よりも分かりやすくなっていると思います。他の方も仰っているように犯人がトロいのですが、主人公達や警察をを舐めきって余裕を見せていると個人的には解釈。

犯人については「この人、逆に胡散臭いな」と思っていたら犯人で笑ってしまいました。警察が実に頼りなかったり、障害を抱えてあんなに動けるものかとか、主人公達が無茶をしすぎたりと気になる部分もあるものの、猟奇的な事件とハンデを抱えた元女性警官の奮闘ぶりのバランスがよく緊迫感もあって面白かったです。

まとめの一言
「その殺意は見える」
風来坊

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