Omizu

マー ―サイコパスの狂気の地下室―のOmizuのレビュー・感想・評価

3.8
『ヘルプ 心がつなぐストーリー』のテイト・テイラー監督がオクタヴィア・スペンサーを主演に据えて撮ったサイコホラー。

マギー役の子、最近見たよなー、と思ってたら、『ブックスマート』でエイミーといい仲になるあの子だった!なかなか印象的で個性的な顔立ちがよかった。

とにかく共感性羞恥がすごい!若者に溶け込もうとするオクタヴィア・スペンサーが痛くて痛くて…

オクタヴィア・スペンサーが特典のインタビューでマーの役柄について「人格を否定して演じることはできない。彼女は盛り上げ役で明るいけど、寂しくて精神的な傷を持った一人の人間なのだ」と語っていた。

単なるサイコパスものから中盤から逸脱し、復讐という別のフィルターがかかり、ターゲットが明らかになってゆく。

マーが高校時代に受けた傷はほんとに許しがたい酷いものだったし、やられた方はずっと傷跡が残り苦しむのだ。マギーのお母さんも止められなかった時点で同罪なんだよな。

哀しい話ではあるけど、娘を監禁するのはやはりおかしい。微妙なバランスの狂人をオクタヴィア・スペンサーは上手く演じていたと思う。

監督は『ヘルプ』もそうだけど、かなりドライな演出で、もう少しウェットにみせる部分もあったらいいのに、とは思うけど堅実な手腕で全く違うジャンルに挑戦しているのは評価できるのでは。

哀しいサイコパスものとしてなかなか楽しめる作品だった。

あ、あと、『美女と野獣』ガストン役のルーク・エヴァンス、『アイ、トーニャ』でアカデミー賞獲ったアリソン・ジャネイと何気に脇役が豪華!
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