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初恋のDickのネタバレレビュー・内容・結末

初恋(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

1. 初版2020.03.21

●余命わずかの天才ボクサーと、ヤクザから逃げてきた少女が出会い、やがて裏社会で巻き起こった壮絶な抗争の渦に呑み込まれていく一夜の物語。
『戦場のメリークリスマス(1983)』や『ラストエンペラー(1987)』で知られるジェレミー・トーマスも出資した日英合作のバイオレンス・アクション・ラブロマンス。

❶相性:やや消化不良。

➋舞台はスマホGPSが登場する現代の新宿・歌舞伎町から幕が開く。
①将来を期待されたボクサー、レオ(窪田正孝)は、脳に腫瘍があり余命わずかと宣告される。
②絶望したレオは、占い師に占ってもらうが、「健康そのもの」と言われ、混迷して街を彷徨う。
③その時、ヤクザから逃げてきた少女モニカ(小西桜子)を偶然助けたことにより、レオはヤクザとマフィアと警察が絡む大抗争に巻き込まれていく・・・さあさあお立合い、お楽しみはこれからだ!(笑)。
④レオが巻き込まれるバイオレンスが凄まじい。人がどんどん死んでいく。まあ、悪い人ばかりなので、胸の痛みはないが(笑)。
⑤どうせ、すぐ死ぬ身だと開き直っているレオは怖い者知らず。それが本作の見せ場である。
⑥しかし、そんなレオに、予想だにしない大衝撃が待ち構えていた。
脳腫瘍の診断は別の患者と取り違えた医師のミスによるもので、レオは健康そのものだったのである。
つまり、上記②の占い師の方が正しかったのである(笑)。
⑦これはレオにとっては大朗報だが、一つ困ったことがある。これまで平気でやってきた、危険なアクションが、怖くて出来なくなってしまったのだ(笑)。実に上手い設定である。本作中一番のお気に入りである。
⑧まあ、そんな問題も、「ボーイ・ミーツ・ガール」のレオとモニカは無事にクリアして、目出度し目出度しのハッピーエンドになるのでございます。お楽しみ様でした(笑)。

➌まとめ
①とにかく、人がどんどん死んでいくのは問題だが、シリアスドラマではないので大目にみよう(笑)。
②役者も、殺され役を楽しく演じていることが読み取れのがよろしい。
③全体としては、新鮮味に乏しく、底が浅くて、並の出来と思う。

❹「誤診」について
①本作の発端は「誤診」だった。
②メディア情報によると、「誤診」は、毎年何処かで何件か発生している。
③責任者が必ず言う決まり文句、「あってはならないこと」。
④そう、タテマエとしては、「あってはならないこと」である。しかし、それは実情を知らない人が言う机上論。
⑤人間である以上、ミスは避けられない。何時か必ずミスが起きる。
⑥人間でないAIロボットでも、機械故障は避けられない。
『天才スピヴェット(2013仏・加)』で、10歳の天才少年が発明した永久機関なら、永久に無故障だが、それは映画だけの話だ(笑)。
⑦だから、必ずミスが起きることを前提にした対策を講じなければならないのだ。
⑧完璧な対策は不可能であるが、限りなく完璧に近づけることは可能である。
⑨その為に、日々の情報に気を配り、フィードバック又はフィードフォワードして、常に改善に努める。これが、関係者の必須事項だと思う。
⑩もう一つ、大事故があると、責任者が必ず言う決まり文句、「想定外だった」。
⑪「あってはならないこと」も「想定外」も、自分たちが無知でお粗末だったことに対する言い訳に過ぎない。

❺トリビア:「誤診」が運命を左右する映画の例
①『無責任時代 (1937米)』
②『眼には眼を(1957仏)』
③『天国に行けないパパ(1990米)』
④『コントラクト・キラー(1990フィンランド・瑞典)』
⑤『幸せのありか(2013ポーランド)』
⑥『やっぱり契約破棄していいですか!?(2018英)』

2. 追記2020.05.03

❶評価:
①Rotten Tomatoes:109件のレビューで、批評家支持率は97%、加重平均値は7.5/10。
②IMDb:3,105件のレビューで加重平均値は6.9/10。
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