夏になると思い出す映画の一つ。
最初に観た時は小学校低学年の夏休みの頃で、地方のTV局のチャンネルを回していたら、この映画がたまたま流れていたのをそのまま見ていたんじゃなかったかな。
大ヒットした劇場版に《生まれたばかりのミュウツーがクローンの女の子やポケモン達とテレパシーで交流するショートストーリー》を追加した、TVとかでよく流れているバージョン。
ラジオドラマもあるらしい。
正直な話をすると、本編のサトシの物語よりも、このミュウツーを軸にしたショートストーリーの方が当時の僕に大きな衝撃を与えていた。
人間によって創られたクローンのアイツーが、自分のものではないオリジナルの記憶を元にして、生まれたばかりのミュウツーに様々なことを教えていく場面は、クローンとして生まれた彼女にとって、決して届かないものを求めているようだし、自分が生まれた意味と足跡を残そうとしているように感じてしまい、クローン達の儚さと優しさはとても神秘的で、大人になった今でも心に響きます。
本編が好きなファンには申し訳ないけれど、
僕にとってはミュウツーがロケット団から離れて逆襲を決意したその瞬間にデデーンとタイトルバックが流れる時点でこの映画は完成している。
本編でのあのお涙頂戴な展開はあまり好きじゃないし、ラストは確かに感動的だけどどこか投げやりじゃないのかと思えてしまうなど、この映画の本編部分は蛇足だと思ってます。
それでも、この映画の最初の部分は何回見ても素晴らしく、同時にあの時に感じた儚さを思い出させてくれることは間違いない。
【追記】
僕は『キミにきめた!』も同じ理由で好きになれない。
僕が欲しいのは逆襲だ。感動じゃない。