ic

新宿泥棒日記のicのレビュー・感想・評価

新宿泥棒日記(1969年製作の映画)
3.9
なんか凄いな、というのが鑑賞後の正直な感想。これはなんなんだと観た後調べたらやはり、最近気になっている配給会社ATGの映画。私の知らない新宿があり、知ってる新宿があった。
横尾忠則と唐十郎、麿赤兒が同じ空間にいることになんだかテンションが上がってしまう。紀伊國屋書店の本物の社長や性科学者の髙橋鉄が出ていることも驚く。本人が本人役という演技してるのかしてないのかわからない。
60年代末と言えば学生運動が盛んになっていた頃、私は知らなかったけれど新宿東口に集まる"フーテン"と呼ばれる若者の集団があったとのこと。政治や国外のことへの関心が高まっている時代であり、それらの運動や暴動の結果はどうであれ若者の漲るパワーがあったことに間違いない。
ドキュメンタリーと有名人の芝居のようなものを織り交ぜ、性やセックスについて追求していく。人が一番触れたくないところに触れ、満たされない部分を満たそうとしている動物的姿を言葉とストーリーで描いている。未知への好奇心と感覚や身体が違うからこそ惹かれる異性への欲求について考えさせられた。
ic

ic