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ディヴァイン・フューリー/使者のkuuのレビュー・感想・評価

3.9
『ディヴァイン・フューリー/使者』原題The Divine Fury.
映倫区分G.
製作年2019年。上映時間129分。

本作の主演を務めるのはパク・ソジュン。
TVドラマ『梨泰院クラス』(ハマったなぁ)などが立て続けにヒット作品に主演してるク・ソジュン。
新たなライジングスターとなった彼が本作で挑むのは、悪と戦う力に目覚めていく格闘技チャンピオン。

『ミッドナイト・ランナー』で瑞々しいケミストリーを発揮したキム・ジュファン監督のもと、激しい格闘はもちろん、鍛えられてる肉体美も披露してました。
脇を固めるのは国民的俳優アン・ソンギや、ウ・ドファン、チェ・ウシクら新旧の名優たち。

総合格闘技の若き世界チャンピオン・ヨンフ。
彼は幼少期に事故により父ちゃんを亡くし、神への信仰を失ったまま大人に。
ある日、ヨンフは右手に見覚えのない傷ができていることに気がつく。
彼は傷について調べるうち、何かに導かれるかのようにバチカンから派遣されたエクソシストのアン神父に出会い、自身に正義の力が隠されていることを知る。
一方、街にはびこる悪が密かに彼らの前に迫っていた。。。

手に汗握るダイナミックなアクションと謳うだけあって、中々ハラハラしながら観ました。
韓国のスタイリッシュな映像と荘厳な挿入曲、悪魔祓いのガジェットは新旧織り混ぜたのが出てた。
韓国ゾンビに続いて、韓国エクソシズム・アクションにおいても、また一つ邦画はこのジャンルにおいては韓国に置いていかれたかなぁ。

今作品は、これから続くであろう(小生の望み)シリーズの出発点となるような、ホラー要素のある韓国のファンタジードラマでした。
今作品をとても気に入っ点は、パク・ソジュンのファンだったのが大前提で、他にも、ハマった要因はたくさんありました。
まず、宗教的な要素を含んだストーリーに興味をそそられたし、スーパーナチュラル(超常現象)やエクソシズム(悪魔払い)のストーリーにありがちな、聖痕に焦点を当てたストーリーを韓国に移したことは、このような状況で期待される、わかりやすく馴染みやすい根拠を与えてたし、ホンマ印象的な偉業と云えるんじゃないかな。
ゾンビ作品で云えば、『新感染 ファイナル・エクスプレス』の衝撃波に似てるかな。
キリスト教の儀式や悪魔払いをする神父。
教団の隠れ蓑として機能しているナイトクラブの下で起きている悪魔的なアレコレ。
通常の宗教的実践との色んなつながりが描かれてましま。
また、彼の信仰心がどのように育ってきたか、ほんでもって、時間とともにどのように衰えてきたかっちゅう会話にもつながり、彼の持つ聖痕と絡んで、彼らの宗教に関する興味深い哲学的な議論が展開されてました。
映画作品のザックリじゃなく、連続ドラマでジックリ観たかったかな。
また、今作品の魅力をも一つあげるなら、超自然的な恐怖を楽しめる点かな。
手にした燃える十字架にポゼッション(憑依)させられる宗教儀式を見る夢のシークエンスに始まり、
ここで示されるポゼッションの猛攻は楽しい要素を与えることに成功してた。
影が浮かび上がって彼を翻弄するシーンてのは中々お目にかかれないテクで楽しかったし、教会で激しい悪魔払いを試みるも、結局は彼の霊力で最終的に霊を清めるしかない。
今作品は、悪魔崇拝のリーダーを追跡するために地域社会で行う一連の悪魔祓いの試みが最も効果的で、魅力的な戦闘戦術、
印象的な特殊効果、
最後の戦いに至る前に、阻止する戦いにおける多くのアクションを提供し、残酷で感情的な戦いで主人公に感情移入しやすい演出になってた。
ただ、全体的に、いくつかの大きな問題があるため、これらの点がこの作品の足かせになってるのも否めない。
主なものは、この手の映画につきものの問題で、大げさなメロドラマが好きなのか、イントロから始まり、必要以上に背景を語りすぎ、このようなドラマチックな傾向に走らずとも、もっとシャープにこの物語を語ることができるんちゃうかな。
まぁここが韓国映画の好き嫌いが分かれる所なんやろけど、個人的にはそう云うてんを含め韓国映画が好きやしハマったんは云うまでもないかな。
また、今作品には2人の関係と、彼の信仰の光に戻る旅に焦点を当てているため、メインの悪役が信じられないほど圧倒的で、まったく怖くないという大きな問題が発生する。
そのため、最終決戦の緊張感が著しく低下し、旅のクライマックスではなく、単なる悪魔憑きの克服になってしまったが、これは致命的な問題ではなく、全体的にやや評価を下げる程度で、個人的にはホントにシリーズ化して欲しいくらいの面白い作品でした。
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