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はちどりのsnatchのネタバレレビュー・内容・結末

はちどり(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

命を断ちたくなる…と親友に洩らしていた14歳の少女ウニが、塾で出会った同性の先生と過ごす時間を経ていくうちに…自分の描いた漫画で寂しい人に元気を届けたい、私の人生もいつか輝くでしょうか…と二時間の映画時間を使って自分の未来を想像できるまでになる…
ずっと自分の心に残ると信じられる作品でした🥺

1994年のソウルの団地に住む一般家庭で起こる話しですが、やはり家父長制社会で理不尽な男女差別があり😡さらにあの担任💢失格ー‼︎
でもいつも事が起きた後の、心理余白に重きを置いているので全体的なトーンは控えめ。そこが好きです。

家庭や学校環境が変わっていくのは、特に韓国社会は難しそう。でも、私も漫画が好きよと話してくれたユジン先生。父母の喧嘩の修羅場を見て親友に裏切られ…そんな生きていく場所が嫌になる私を静かに黙って見つめ返してくれるユジン先生。険悪な親友と一緒の席で、突然◯◯するユジン先生。サボテンが映る。みんなの棘がとれていく😌

きっと先生も、同じような痛みの経験をした者同士。彼女たちは反響し合える。お互いの心根がわかるのだろう。
ウニちゃんの繊細な表情を見つめっぱなしでした。顔つきが変化していく。すっと心に入いってくる台詞も何度もありました。

まだ14歳はやわらかな子ども、こんな親だけれど、愛情が自分に向けられると嬉しい。親なりの事情が見える瞬間もある。少しずつ子供時代を脱皮していく。
ユジン先生はそんな人じゃないとハッキリ言い放つ場面で成長したなあと思った。
自分で決めたのだろう、車を出してもらい悲しみを見つめた後に、お母さんも同じ思いをしたんだとわかるのも好きです。その後しっかりチヂミ食べて🥲

いろんな人の涙も印象的な映画でした。最低だと思ったあのお父さんの気持ち、よく分かる。

この小さくもなく大人でもない大きさの14歳の揺れている毎日が、とても近くに感じられました。やっぱり子どもは、寄り道しながら育っていくのがいい。
少女たちの陽に透ける髪とあどけない美しさが眩しい✨
台湾のホウ・シャオシエンの初期の映画の少年たちを少し思い出しました✨

あと、さりげなさすぎるのに、心に染み入る音響がすごく気に入りました🤩
耳をすましたくなる…✨
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