銀幕短評(#524)
「はちどり」
2018年、韓国。2時間18分。
総合評価 100点。
この映画は衝撃的です。カメラの圧倒的な安定感と全員の芝居のうまさに、完全に引き込まれました。
トランポリンで飛び跳ねるように、自由に生きたい。だれしもそう思いますね。それが もしかなうのであれば。
「82年生まれ、キム・ジヨン」(#508、69点)でもクローズアップされた家父長制度、男女差別、学歴偏重や行き過ぎた年功序列は、韓国にまだまだ根強いようです。これは儒教に由来するものですね。やはり、宗教がもたらすものは 利点をはるかに上回る弊害が多いといわざるを得ない。家族で最年少のウニはいつも割をくってしまう。その環境で、彼女があんなに素直に学び生長することは、奇跡にちかい。
なににせよ愛するものは かならず失ないますね、いつかは。しかもそれはひとつとは限らない。だからどこかで、ひとつひとつ執着を断つ必要がある。くわえて赦(ゆる)しを施すことも。それは 相手のためだけでなく、じぶんを守るためでもある。