milfak

はちどりのmilfakのネタバレレビュー・内容・結末

はちどり(2018年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

(まず感嘆、感服)
ウニの、まだいろんなことを知らなくて、良いこと悪いことに都度感情というか自分を掻き乱されて、自分もまだ全然定まっていない感じがとてもリアルだし(パク・ジフのあの虚ろな希望の宿っていない目が最高)、そんな中で、自分が好いと思わない大人の中にポンと現れたヨンジ先生に魅了されるのはめちゃ当然というか。というかヨンジ先生がとても良かった。物語としても、ウニを中心にいろんなんことが全てうまくいくっていう単調なハッピーエンドじゃないところも、かなり好み。
ああいう恋愛とかああいう友情とか、それらの脆さとか。堪らなくしんどくて良い。
韓国事情に詳しくないけど、恐ろしい男尊女卑社会(家庭)で過ごすのって想像できないようなストレスがあるんだろうな。理不尽さというか。学歴社会でもあるっぽかったけど。
学生時代って主には家庭と学校の2つの組織の中で自分と向き合っていくしかなくて、そこで過ごす時間の方がほとんどではあるけれど、ウニのように流動的で、(入院とかもきっかけに過ぎないけど)いろんなところでいろんな人、空気に触れることってきっとかなり重要なのかもなと思った。(私はほとんど学校と家庭を只管行き来した人生だったけど)
映像のフィルター、韓国フィルムは良いね、こういった少し不安定で不完全な情緒がとても良く醸し出されるな。

P.S.
時代背景を知っているとより、ウニだけでなく社会の不安定さ、不穏な空気感も合わせて楽しめたみたい。ふむふむ。
milfak

milfak