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はちどりのskkのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.9
主人公の女子中学生を中心とした日常(と諸々の事件)を通して思春期の微妙な心の動きを描いた作品 一応ターニングポイントとなる実在の事件があるのだけど、基本的には非常に静的な作品ですね

女子中学生の主人公の視点を通して、当時の韓国の学歴社会/儒教的な家族感が見え隠れしており興味深い 食事シーンをはじめとして家族のシーンが多いこともあり、家父長制度の強さは執拗に描写されています
後半の漢文の先生(この人の佇まいはとても知的で良いですね)のセリフが印象に残りますが、これは当時女子中学生だったという監督自身が当時の自分、そして鑑賞している人に伝えたいメッセージと理解しました

トランポリンのシーン、漢文塾のシーン等美しいシーンが多いですが、引きを多用する撮影方法・計算された構図等で非常にエドワード・ヤン作品っぽさを感じました(よく考えたら、ボブカットの女性がメインキャラクターである点も似てますね)

決して派手な作品ではないと思いますが、じんわりと良さがありました
あと、家族の食事がちょっと美味しそうで、チヂミとか韓国料理食べたくなります 実際、鑑賞後に友人たちと食べに行きました
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