Wata

はちどりのWataのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
4.2
「この世界が、気になった」

小さな世界で閉塞感を抱える一人の少女が、大きな世界の中で自分を見つけるまでの物語。


14歳の孤独な少女ウニと、世界との境界線が溶けていき、世界との繋がりを感じていく過程がすごく綺麗に描かれていて、思春期の少女の成長が繊細に感じられる素敵な映画だった!

14歳の少女が見る世界をビビットに描いていて、光の演出も音楽も素敵だったけど、なにより、何事からも目をそらさないウニの透き通った目が魅力的でした!

理不尽に立ち向かうことは、痛みや傷を伴うかもしれないけれども、自分は世界に影響を与える力を持っている。

そんな生きていく力が、ウニの目には宿っていました。


冒頭、無機質なドアが無数に並ぶ団地の中、ただひとつのドアしか目に入らず、それに向かって叫ぶウニ。
そして、たくさんの同級生の鮮やかな世界の中で、前向きに自分を見つけるラストカット。

その対比にウニの成長を感じ、大きな世界の中で自分は生きているんだ!と感じられる、とても清々しいラストでした!


展開は穏やかですが、14歳の少女の心の変化が綺麗な光の中で激しく描かれ、ひとつの気づきを得るまでの姿が心に響く映画でした!
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