ミツ夫

はちどりのミツ夫のレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
4.3
一見、少女の物語の日常を映した映画のように見えるが、とんでもない完成度を誇った作品だった。
まず、ウニ役のパク・ジフをはじめ各キャストの演技が素晴らしかった。
直接、感情を表には出さない抑制されたようで、とても奥深く繊細な演技。
それが、いわゆるステレオタイプではない、奥深く興味深いキャラクターを作り出している。中でもヨンジ先生の放つ言葉の一つ一つがとても心に響く。

さらに、考え抜かれた脚本も素晴らしかった。14歳のウニの日常に、時より垣間見える、大きく理不尽なまでに立ち塞がる社会の変化や崩壊が描いている点。そして、そこで起こる“ある出来事“をキッカケに語られていく普遍的なテーマやメッセージ。
地味な作品ではあるが、その日常にも意外性や共感できる部分に溢れていている。80年代の韓国が舞台の話ではあるが、現代を生きる私たちにも非常に刺さる作品となっていた。

ハチドリは、鳥類の中で最も体が小さくホバリングしながら花の蜜を吸うことで有名な鳥だ。思春期の中学生という彼女たち。それは止まっているように見えるが、一生懸命に羽ばたいている「はちどり」のようにもうつる。
"不思議で美しい世界" へ羽ばたく勇気をくれるような素晴らしい作品だ。