おにくちゃん

はちどりのおにくちゃんのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
4.0
私自身、悩みがある。
大人になってから「子供」にどう接して良いかわからないのだ。
子供の頃からいわゆる「子供扱い」というのが苦手で
こういった大人になるまいと考えているうちに
わからなくなってしまったのである。
ついつい敬語を使ったり大人と同じ様に対応してしまう。
これがコンプレックスでもあったのだが今回の映画を観て少し自身が持てた。

この作品では先生だけが主人公であるウニを大人として扱う事で信頼を得る。
子供扱いされないことの尊さをウニは確かに感じとる。
お母さんが作った料理、特にぞんざいな佇まいのチジミに対して
先生が急須で入れた烏龍茶のなんたる神々しいことか。
このシーンからもウニを大人同様に扱う先生のナチュラルな存在感が浮き立ている。
淡々と何か引っ掛かりを持たせたまま進んでいく前半と、速度がはやくなる後半の緩急も見事だ。

こんな作品が国内で大ヒットする韓国を少しうらやましく思った。