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はちどりのaのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.6
14歳という小さな世界で生きているウニの繊細な日々が、詩集みたいに描かれている。
詩のような映画って変な言葉だけど、この映画にいたってはしっくりくる。
ようやく見に行けた!

私が見ていた14歳の世界も、あんな感じだっただろうか。
いざ考えてみるともう思い出せない自分がいる。
小さな世界のことしか、自分の身の回りのことしか考える余裕はないけど、大人が思っているよりもずっと色んなことに思いを巡らせている年代。
ウニ視点で描かれている日々は、今では当たり前になってしまった日常の不思議や煌めきを鮮やかに蘇らせる。
私ももっと繊細に色んなことを感じて、色んなことを見られていたなと思った。

彼氏との関係だったり、ユリとの関係だったり、性別のことについてわかり始めるのもやっぱり14歳くらいなのかなー
思春期と言われる時期を代表する歳でもあると思う。

ヨンジ先生の言葉は、本当に胸に届くものばかり。
大人だって、みんなと同じじゃなくていいって言ってもらえてるようで。
ヨンジ先生みたいな先生がいたら、私も大好きになってしまうと思う笑

心に残るような圧倒的な見せ場があるわけじゃない、でもなぜか尾ひれのように映画を見終わった後も私についてくる。
この矛盾。
ありとあらゆるところで、光輝く時代を精一杯生きる、私たちの課された使命はなんだろう?

もう一回見れるならみたい。
あの温かな言葉の海に浸っていたい。
日常で当たり前にしていたことが、もう一度輝きだすように。
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